防げた過誤に支払い停止-米メディケア
ネット上では数ヶ月前の話題のようですが、米国から届いた雑誌にこんな特集記事が。
リンク: 'Never' Land.
一言で言うと、Medicareが、防げた医療過誤部分の入院治療費を支払わないというのです。その8つの事象リストを見てびっくり。
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ネット上では数ヶ月前の話題のようですが、米国から届いた雑誌にこんな特集記事が。
リンク: 'Never' Land.
一言で言うと、Medicareが、防げた医療過誤部分の入院治療費を支払わないというのです。その8つの事象リストを見てびっくり。
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ずっと以前から、輸液で発生する“ヒヤリハット事例”に、ダブルバッグ輸液の隔壁を未開通のまま誤って点滴してしまう事例が報告されてきました。
2000~2001年頃でしょうか、私もこのインシデントを防ぐ仕組みを考案して、輸液製剤を作っているメーカーに連絡したのですが、「自前でも考えていますので」とやんわり断られていました。たぶんへたに私から話を聞いて、同じアイデアが特許出願準備中だったりすると困るからかななどと思っていました。私も本業ではないのでそれ以上情熱はかたむけなかったのですが。ちなみに私のアイデアは以下のようなものでした。
・針刺し口のシールをはがすと、ビニールひもが隔壁まで連続していて注意喚起。米国から帰ってきても、東京に移ってきても、まだこのような輸液バッグを見かけないので、もう一度メーカーに連絡しようとしていたところ、ようやくこれが出てきました。
・バッグを3室にして、針はもともと空虚な第3室に刺す→開通しないと液が落ちない。
・針を刺すと自動で隔壁開通。
リンク: ダブルバッグ輸液「ツインパル®」に業界初の隔壁開通忘れ防止装置「ツインチェック」を装着 味の素株式会社.
コストもさほど高くないようで、なかなか良い仕組みだと思います。でも商品化に時間かかりすぎましたね。実は5年前には全くアイデア無かったのかも。
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福島の帝王切開医師逮捕事件で、医師法21条にもとづき、異状死体を警察に届け出る基準の問題がクローズアップされました。これで良く引き合いに出されるのが、UMINで公開されている以下です。
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以前要望を出させていただいたことに応えていただいたのかどうかはわかりませんが、医療事故情報収集事業の報告が、以前のWeb入力に加えてXML形式による報告が可能になったようです。
リンク: 医療事故情報収集等事業.(本日は誤記が直っていました)
でも、XML作成資料集には次のような誤植(ペースト後の修正ミス)がところどころ見つかるので、利用時には確認が必要だと思います。数字も全角混在が散見されました。
<GRP患者情報>
<DAT患者フラグ CODE="01"></DAT患者フラグ>
<DAT患者年齢_年 CODE="10"></DAT患者年齢_年>
<DAT患者年齢_月 CODE="00"></DAT患者年齢_月>
<DAT患者性別 CODE="01"></DAT患者性別>
</LST関連診療科>
さて、個人的にはどの仕組みで対応しようか、考慮中です。
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報道で知ったのですが、担当が厚生労働省から日本医療機能評価機構に代わってから4回めの報告書が公表されました。今回からヒヤリハット収集事業も合わせて報告することになったようで、150ページの大部です。
リンク: 医療事情報収集等事業.(「医療事情報」の字抜けは元サイトのままです)
久しぶりに、全体を流し読みしてみました。
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リンク: >帝王切開 逮捕 - Google 検索.
詳しい事実は今後明らかになってくるかもしれませんので、現状では逮捕された医師の「逮捕相当度」がよくわからず私の判断違いかもしれませんが、とりあえず。
この事件を受けて、「異状死」と少しでも解釈されるおそれのある医療機関内での死亡は、とにかく何でも警察に届けておかなきゃならない……となってしまいそうな気がします。そうしておかないと、後日突然、「証拠隠滅の恐れあり」として逮捕される恐れがあります。。。
どうすべきかについては、こちらが詳しいですが。
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以前から「単なる2001年の一文書」(http://www.mhlw.go.jp/topics/2001/0110/tp1030-1.html)という不思議なURLを継承していた厚生労働省の医療安全対策のページですが、昨日すっきりと生まれ変わりました。
担当者のこの方面の知識がアップしたようです。これからもよりわかりやすいサイトと充実した情報提供を望みたいと思います。
リンク: 厚生労働省:医療安全対策について.
ついでにひと言、「医療事故情報収集事業」は、手入力の必要なWeb入力でなく、院内のレポート収集システムの電子データを受け付けるように、早く改善してください。うーん、ここに書くより厚生労働科研にでも申請したほうがよいかもしれませんね。めんどくさいけど。
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やはりこのニュースには触れねばならないでしょう。2月4日に厚生労働省で開催されたヒューマンエラー部会で、医療安全対策ネットワーク整備事業の見直しが了承された模様です。
医療 - ヒューマンエラー・ヒヤリハット - 第11回ヒューマンエラー部会資料
かねてから現場に役立つような具体的なフィードバックや提言が得られないことが気になっていましたが、それを公式に認めたようです。
全般コード化情報を収集する対象病院を300施設抽出。定点調査を行うとのことです。でも、300も集まるのかしら。いままで3年やって80施設ですけど。
記述情報については今までどおり全医療機関から集めるみたいですが、個人情報保護法施行下で不用意に個人情報を集めてしまわないよう、これまた悩みは深いと思います。
昨年4月に対象施設を広げたばかりで、まだ新規参加施設分の集計結果も発表されないうちの路線変更。増えすぎて支えきれなくなったのかもしれません。個人的には、この事業の収集データは掘り下げればいろんな知見が得られるのではと思っています。国策でがんがん予算をつぎ込んでも良さそうに思うのですが。。。
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10月から、医療事故情報収集等事業がはじまりました。いわゆる医療事故報告制度です。
日本医療機能評価機構の医療事故情報収集等事業関連ファイルダウンロードコーナーから文書をみることができます。義務づける医療機関以外でも、申し出れば参加できるのですね。これは評価したいと思います。ヒヤリハット事業並みに参加施設が増えると良いですね。
報告形式のところを見たのですが、あのいまいましいWeb入力しか用意されていません。データはこちらのコンピュータに持ってるのに、あらためて二重入力ですか。パブリックコメントの時に、ヒヤリハット収集事業との互換性を求めたのですが、不便さを継承しちゃったみたいですね。まあ、一つしか選択しちゃいけない項目にチェックボックスを使うのはやめたみたいなので、その部分だけは評価してあげましょう。
1年前からこの開始を見越して準備していたのに、がっかり。今からでも遅くないので、SSLなんかでファイルをアップロードできるようにしてくださいませんかね。勝手にXML報告形式でも作って送っちゃおうかな。
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以前ふれたことのある話題ですが、確実な数字を見つけました。たしかに4倍以上になっています。詳細は以下に加筆しました。
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以下で医療事故報告制度の詳細へのパブリックコメントへの回答が出てました。
医療事故に関して報告を求める項目の詳細案等に係る御意見への回答私も個人的に意見を送っていたのですが、まあ妥当な回答だろうと思います。これで10月開始は固まったものと思いますので、私としても心の準備をしたいと思います。
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なんと、厚生労働省サイトの医療安全対策ページの中の、以下の項目が更新されてます。目次の中では最近の更新日は3月15日ということになってますが、以下は3月30日の日付です。担当者でも変わって更新方法の引き継ぎが不十分なのかも。
医療安全対策ネットワーク整備事業(ヒヤリ・ハット事例収集事業)の実施について
今回の主な変更点は、
●収集対象として「誤った医療行為等が実施され、その結果、軽微な処置・治療を要した事例」を追加したこと。
-これは従来のヒヤリハット報告と今後の医療事故報告の隙間で浮いていた部分ですが、ようやくすっきりしました.。
●事業の委託先が財団法人日本医療機能評価機構に変わったこと
-問題は病院機能評価の認定の条件にこの事業への参加が考慮されるようになるかどうかです。
●対象機関を「全医療機関」に広げたこと。
-これは少々驚きました。以前に医療事故報告を義務づける対象が狭すぎるで書いたように、医療事故報告制度の対象医療機関は非常に限られています。あちらの方こそ重要性が高く医療機関の事務負担が少ないのですから、全医療機関に拡大すべきなのです。
義務づけたわけはでないにしろ、ヒヤリハット収集事業の対象を全医療機関に広げたいじょう、医療事故報告の対象医療機関の拡大もありうるのでしょうか。興味深いところです。
最後に宣伝。私の作ったこの事業向けソフト「RINGO君」をよろしく。といっても無償の代わりにサポートなしですが(笑)。
2004/9/29 追加
ヒヤリハット収集事業の参加施設数は、こちらによると7月2日現在1,182施設だそうです。2月26日現在の250施設と比較すると、4.5倍以上です。さて、最近は実際の報告施設数が69と減ってるようですが、どうなりましたやら。
2004/12/4 追加
こちらによりますと、11月1日現在1257施設とのことです。
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さきごろ、都立広尾病院で誤って消毒液を静脈注射した医療事故に関連した最高裁判決がありました。これ自体も重要な問題をはらんでいますが、今回は別件です。
この事故は、静脈注射する薬の注射器と手足を洗浄するために注射器に入れて用意されていた消毒液を取り違えたことが発端になっています。これに関してはもちろんいろんなことが言い尽くされており、ネットを検索しても東京都の報告書をはじめとしてたくさんの情報、再発防止策などが読めると思います。これも置いときましょう。
ふと思いついたのは、そこに消毒液が存在しなければ、取り違えは起きなかったということです。報告書などからの私の推測では、このヒビテングルコネートは水で希釈して手や足を洗うことに使われていたと思われます。このような処置は医療現場で以前からずっと行われているわけですが、この数年、消毒液の使用について疑問が投げかけられているのも確かです。傷自体には消毒液が有害になることも多いし、消毒液を入れなくても洗うことだけで効果は同じではないのかということです。
昔の医療現場では、洗面器に希釈消毒液を入れて手を洗うという場面がみられました。今はふつうに石けんで手を洗い、手を消毒するための消毒液スプレーをよく見かけるようになりました。
そこで、希釈した消毒液で洗うのをやめて生理食塩水や温湯で洗うように決めてしまえば、消毒液を使う場面も減りこのような事故は減らせるはずです。もちろん病院から消毒液をすべてなくすことはできません。でも、その消毒液が本当に必要なのかを考えてみることも必要だと思います。使わなくても大差がないのであれば、思い切って使うのをやめることも選択肢です。滅多にないとはいえこのような死亡事故をなくすことができるのですから。
医療に限らず、普段何となくやっていることが「本当に必要なのか?」ということを時々顧みなくてはいけないと思った事例でした。
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医療事故の定義がぶれてきた? の続報です。
3月19日、報道各社は次のように伝えました。
「入院患者の1割超に医療事故」、「入院中の事故10人に1人」
3月24日のケアネット・ニュースの記事は少し詳しいです。
カルテから分析 30病院で医療事故調査(リンク先ないためホームにリンクしてます) Japan Medicine(株式会社じほう)
研究は、今年度からの3年計画。無作為抽出したカルテ、看護記録などを、「別の急性期病院への予定外の転院」など18の基準に沿って看護師がスクリーニングしたうえで、複数の医師が再検証して有害事象の有無を判定する。更には日本の在院日数が長いので、在院日数の短い外国と比較すると入院中に有害事象が起きても通常の在院期間中に回復する可能性があるとのこと。このことは、今回の予備調査の数字が少なめであるということを示唆しています。本調査ではもっと高い数字が期待されるというわけです。
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残念ながらこの文章はタイトルだけで内容は現在公開できません。これだけでもわかる人にはわかると思いますけど(笑)。いずれ時が来れば公開できると考えています。
この内容で失礼かとも思いましたが、Googleで「医療事故 繰り返す」を検索した一位サイトの医療事故は繰り返す(I Seeさん)にトラックバックを送らせていただきました。
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副題:入院患者の10%は重大な医療事故に遭っているのか?
年度末はどのお役所も大忙しですね。
入院者の1割超に医療事故、半数は防げた可能性 厚労省(朝日新聞)
入院中の事故10人に1人 厚労省研究班が初調査(共同通信)
で、今回の報道にある
「医療事故で死期が早まったり、入院延長されたりした患者は10.9%」というこの結果はにわかには信じられません。調査結果の原文を見てみたいものです。
この4月から一部病院についておこなわれる医療事故報告制度での「事故」の範囲には以下が含まれます。
本来予定されていなかった処置や治療(消毒、湿布、鎮痛剤投与等の軽微なものを除く)が新たに必要になった場合や、新たに入院の必要が出たり、入院期間が延長した場合等をいう。報道のとおりなら、対象施設は4月からは全入院患者の10%を医療事故として報告せねばなりません。多すぎです。仮に以下が10.9%なら、理解できなくもない数字です。
大学病院や中規模の病院など7施設から、入院患者100人ずつのカルテを無作為抽出。うち予定外の再手術、術後の合併症、院内感染、転倒外傷などで患者が被害に遭った事例を、ミスの有無は問わずに「事故」として分類した。厚生労働省による医療事故の定義はどちらなのでしょうか。重大な事例のみなのか、とにかく有害な事象全てを含むのか。上記の医療事故報告制度のページを見ると、文字通り「グレーゾーン」があります。軽微な処置・治療を要した事例です。たとえば、
「糖尿病治療薬が予想より良く効いて低血糖となり、あめ玉を舐めたら治った」今回の10.9%はここまでを含んでいると考えるのが妥当なところです。さらに軽い事象として、被害に遭ったけれど治療は要さなかった例はヒヤリハット事例報告対象です。
「糖尿病治療薬が予想より良く効いて低血糖となり、様子を見ていたら治った」ここまでを事故と呼ぶのかどうかをはっきりさせないと、やっぱり数字を出しては語れないように思います。医療事故の定義を広く取れば、入院患者の10.9%が事故にあったという記述は正しいです。しかし、死期が早まったり、入院延長されたりした患者は10.9%ではないはずですが…。
ちなみに、私は医療事故の定義として、上記グレーゾーンを除いた「厚生労働省に報告する範囲の1と2」にしてはと思います。具体的には以下です。
1. 明らかに誤った医療行為や管理上の問題により、患者が死亡若しくは患者に障害が残った事例、あるいは濃厚な処置や治療を要した事例。もちろん一部の施設においては、従来報告対象外だったグレーゾーンも含めた医療安全にかかわる全事例の収集・分析を行うことで、どんな定義での数字を求められても正しく答えられるはずです。これこそがマスメディアや一般市民の誤解を防ぎ、ひいてはより安全な医療現場への実現につながるのではないかと思っています。
2. 明らかに誤った行為は認められないが、医療行為や管理上の問題により、予期しない形で、患者が死亡若しくは患者に障害が残った事例、あるいは濃厚な処置や治療を要した事例。
参考過去記事 医療事故の報告を義務づける範囲が狭すぎる
続報 「入院者の1割超に医療事故」はウソではないのか?
Mar.26少し加筆しました。Apr.6,リンク追加。
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最近、患者や家族が医療事故の防止にどのように貢献できるかという問題の研究の手伝いをしていますが、偶然米国でも今週そのような運動を行っていました。NPSFという団体による、患者安全認知週間です。
今年のテーマは、
Patient Safety: The Power of Partnership.NPSFの広告などを見ていると、患者に対しては「医療者に何でも聞こう」、家族に対しては「医療チームの一員という自覚を持ち、声を上げよう」、医療者に対しては、「患者や家族とよく話し合おう」と訴えていました。
ひとくちで言って、米国の病院には日本の何倍もの医療スタッフが働いています。医療現場が危機的な人手不足である日本こそ、患者本人や家族が医療事故防止のために果たすことのできる役割が大きいのだと思っています。
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2003年12月24日に出された厚生労働大臣医療事故対策緊急アピールの「施設を軸とした施策」に、「手術のビデオなどの画像記録を患者に提供することによって、手術室の透明性の向上を図る」というのがありました。
これは他の項目と比べても、違和感を禁じ得ません。医療事故防止対策といえるのでしょうか。ビデオを患者に提供するのは「隠蔽工作防止対策」だと思います。
ビデオに撮ることで事故が防止できるとは思えません。コンビニに防犯カメラをつけると万引きは減ると思いますが、まさか同じ発想ではないですよね?
いまどきのビデオは編集も簡単なので、本物であることを証明するのが困難だと思います。生中継なら良いかもしれません。厚生労働省の方で研究されるのみで、実現はしないと思います。
ビデオを撮って患者に提供できる仕組み自体は良いと思います。眼科などではサービスでやっている医療機関もありますし。通常の医療機関では保険点数加算でも無いと無理でしょうが。
録画を検討して事故につながりかねない操作をチェックし、事故防止に役立てることもできるかもしれません。「この腹腔鏡の入れ方は腸を傷つけやすい」とか。
従来の手術室内の隠蔽のいくつかは、側で見ていた医師や看護職などの良心によって暴かれてきたことと思います。医療の透明性の確保は「施設」からではなく「人」を通じて行うべきだと考えます。
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来春から大学病院や国立病院などに義務づける医療事故報告制度についてですが、私は義務づける医療機関の範囲が狭すぎると思います。
厚生労働省は平成14年10月1日から、病院及び有床診療所に対して医療安全管理体制の確保を義務づけています。
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/i-anzen/2/kaisei/index.html
これを念頭に置けば、今回も病院及び有床診療所に対して義務づけたってよいわけです。厚生労働省の部会や委員会の議事録を見ますと、「体制の整っているところから」というわけなんですが、毎月50例のヒヤリハットを報告せよと言っているわけでなく、ごくたまにしか起こらない重大事例や警鐘事例なのですから、特別な体制は不要で、できるだけ多くの施設でスタートした方が効果があると思います。
穿ちすぎかもしれませんが、これ以上対象範囲を広げると、民間の医療機関も増えてしまうので、報告させた事故が明るみに出ることによって患者が減り、経営に打撃が出ることを懸念しているのかとも思います。これが大学病院や国立病院なら大きな問題にはなりませんので。
ついさっき見た米国の学術雑誌に、「医療事故の新聞報道後にその病院を受診する患者が減った」という研究結果が載っていました。
この私の考えが邪推だったと証明されるためにも、早期に対象範囲が広がることを期待したいと思います。
--2003/12/19追加
日本HIS研究会情報「バイブレーション」No.120によれば、民間病院の除外は、2003/7/28に厚生労働省が日本医師会に示した確認書に書いてあるそうです。
こちらにも関連記述。
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ちょっと思うところあって、2年くらい前、有名な李 啓充さんの講演を聞いたときのメモから引用します。「患者に不安を与える」というのは注意すべきキーワードだと思います。
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wrong site surgery(部位取り違え手術)について事例の紹介。これを防ぐため米国では医師が術前訪問時に手術部位にサインせよという勧告が出された。しかし病院によっては「患者に不安を与える」として採用しなかったところもある。しかし、実施した病院では「むしろ患者は面白がっている。医師と患者のコミュニケーションにひと役買った」との評価がでている。
ここでためになる話。「患者に不安を与える」はよく聞かれる言葉だが、この言葉を使う人の行いは、ほぼ例外なく事故防止に逆行する結果をもたらしているので注意すること。ある病院で朝の与薬を忘れ、夕方に2回分渡したという看護婦がいた。その人に「患者に与薬票を渡しておけば、教えてくれただろうに。あなたを助けてくれただろうに」と言うと、帰ってきたのが「患者に不安を与える」なのだが、本当にそうだろうか。
もう一つ本講演のハイライト。先の米国の例でも逆の足に「ここは切らないで」と書いたユーモアのある患者がいた。患者が間違った場所を手術されたくない場合は、「ここは切らないで」と体中に書かねばならない。書き忘れるとそこを切られてしまう。この話は小泉八雲の「耳なし芳一」を思い出させるが、耳を切られた住職の言葉が、間違った場所を切った外科医の言葉と見事に符合するのだ。「ああ、なんということをしてしまったのだ。自分で確かめずに耳を小僧に任せたのがいけなかった。今となってはどうすることもできない。傷が治るようにできるだけのことをするしかない。」外科医は自分でインフォームドコンセントを確認せず、術前の消毒などの準備を別のスタッフに任せていたのだった。
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報道等でご存じの方も多いと思いますが、11月27日に厚生労働省の医政局・医薬食品局から都道府県宛に出た通知、「医療機関における医療事故対策の強化について」に、「処方点検や調剤時、病棟への供給時に注意を要する医薬品」が別添されてきました。いずれ医療機関には回ってくると思います。原典は日本病院薬剤師会の以下の資料です。
http://www.jshp.or.jp/031112.pdf
便宜のため転記します。
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1 誤処方による事故、ヒヤリハット報告があった医薬品名の組み合わせ
・アマリール,アルマール
・サクシン,サクシゾン
・タキソール,タキソテール
・ノルバスク,ノルバデックス
・オーダリングシステム等を採用している医療機関において先頭3文字
が同一の医薬品
2 名称類似によると思われる調剤エラーや誤投与のヒヤリハット報告が
複数あったもの
・アロテック,アレロック
・ウテメリン,メテナリン
・テオドール,テグレトール
・プレドニン,プルゼニド
3 投与量のチェックを厳しく行うべきもの
・タキソール
・タキソテール
・インスリン製剤
・小児におけるアミノフィリン
4 投与方法についての注意喚起(他の医薬品との供給方法の差別化)
を行うべきもの
・カリウム製剤
・リドカイン製剤(特にキシロカイン10%)
----------
最近話題になってきた医療事故になりやすい薬品をよく網羅してます。意地悪な言い方をすれば、今後もこの薬剤関連で事故を起こすようだと、罪が重いということになると思います。
たぶん罪を問われるのは医療者で製薬会社でないのが納得できないですね。日本製薬団体連合会にも通知が出てますが、表現は曖昧で「販売名を変えよ」といったものにはなっていません。ついでに、厚労省もこの文書を出したことで一応の責任は果たしたということになるかもしれません。要注意です。
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