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2006/03/27

医師法と異状死体に係る国立大学病院長会議報告の実相

福島の帝王切開医師逮捕事件で、医師法21条にもとづき、異状死体を警察に届け出る基準の問題がクローズアップされました。これで良く引き合いに出されるのが、UMINで公開されている以下です。

リンク: 医療事故防止のための安全管理体制の確立について(中間報告).

警察への届け出の部分を引用してみます。

(2) 警察署への届出
 医師法により,異状死体については,24時間以内に所轄警察署に届け出ることが義務付けられている(注1)。医療事故が原因で患者が死亡した可能性がある場合に,医師法の規定に従い届出を行わなければならないか否かについて,本作業部会が明確な解釈を提示することはできないが,同法の規定は,司法警察上の便宜を図ることを目的としたものであるとも言われることから,医療行為について刑事責任を問われる可能性があるような場合(注2)は,速やかに届け出ることが望ましいと考える。  判断に迷うような場合であっても,できるだけ透明性の高い対応を行うという観点から,先ずは速やかに警察署に連絡することが望ましいと考える。

注1)医師法第21条
 「医師は,死体又は妊娠四月以上の死産児を検案して異状があると認めるときは,二十四時間以内 に 所轄警察署に届け出なければならない。」

注2)医療行為について刑事責任を問われる可能性がある場合は,一般に,(1)患者が死亡するなど結果が重大であって,(2)医療水準から見て著しい誤診や初歩的ミスが存在する場合であると言われている。なお,患者が既に末期的な状況にあり,当該医療事故は,その死期を早めたに過ぎないと考えられるような場合でも,そのことで法的に免責されるわけではないとされる。

以上542字ですが、翌年1月の最終報告では、この部分に2582字も費やしています。最初の部分だけ引用しますが、ずいぶんと慎重な言い回しになっているのです。

(7)警察署への報告
1.なぜ警察署に報告するのか
 医師法においては、「異状死体」について24時間以内に所轄警察署に届け出ることが義務付けられているが、医療事故によって患者が死亡したと思われるような事態が発生した場合に同法の適用を受けるのか、未だ法的な解釈は確定していない(注)。

(中略)

(注)「届け出」という語を用いても差し支えないのであるが、医師法の「届け出」と混同されないために、便宜的に「報告」という語を用いることにする。


この問題を研究しようとする方は、中間報告に惑わされず、最終報告を確認されることをお勧めします。Booksの所にリンクを追加しました。

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