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2008/11/11

妊婦たらい回し防止にプレゼンス情報?

医療機関内でのプレゼンス収集問題が、なんと新聞にも載るような時代が突然やってきました。

リンク: 妊婦たらい回し防止 医師の情報自動で登録 厚労・経産省 新システム開発へ - MSN産経ニュース.

 タクシーでも今クルマがどこにいて、「賃走」か「空車」を自動的に収集するほかに、ドライバが「休憩中」「食事中」といった状態を手動設定できると思います。

 現状では、院内に無線LAN環境が整備できていれば、対応する無線LAN装置や携帯電話やPHSやVo-IP携帯端末(こんなの)を医師が持つことで、院内の場所はわかります。手術室内にいれば手術中という判断はできるでしょう。
 更には先日書いたように、端末装置のさまざまな状態から自動的にプレゼンスを更新できる可能性があると思います。病院情報システムの空きベッド情報を送る手法もあるでしょう。
 あとは、位置情報だけでは受け入れ可能かどうかわからないので、医療従事者が自身でプレゼンスを更新する必要があります。手術中、処置中、休憩中などです。ここがうまくいくかがキモです。普通はうまく更新できないので、一定時間後に手動設定をリセットするとか、位置情報が手術室入りの場合は、そちらを優先するとか、判定にはいろんなアルゴリズムが必要です。

 これらの情報を集めることで、より的確な判断はできると思います。以上、技術的に可能ではありますが、現場での実用性は疑問です。むしろ医療従事者の激務のエビデンスを収集する仕組みとしての方が有望だと思います。
 アルバイトを雇って各病院の既存の装置の前に待機させ、定期的に情報を更新するとともに臨時の電話応対を取り次ぐ役割をさせるほうが、現実的ですし確実で、すぐに実現可能だと思います。

下調べ中に検索ヒットした、「新小児科医のつぶやき」さんのところにコメントを書かせていただきました。
リンク: ため息の出る対策 - 新小児科医のつぶやき.

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コメント

飛んできたすずめです。
素人の素朴な疑問なんですけど。
最近、何件かこういう脳出血の妊婦さんの件が問題になってますよね。これって、そんなに普遍的に扱って良い問題なんでしょうか。しょっちゅうある?

もし、そうでないなら、救急医療全体の問題としてではなく、個別の事例として、対応する手はずを考えるべきじゃないかなと思うんですけど。
たとえば、こういう事例の場合、とにかく脳外科に搬送して、そこに産科医さんを近所から拉致して、保育器を運んでICUで。。。とか。もちろんそんな簡単な問題じゃないとは思いますけど、でも、すべての妊婦さんのレアな緊急搬送に対応するインフラを考えると、果てしなくゴールは遠く感じるんですけど。

投稿: 水無月すずめ | 2008/11/11 14:49

厚生省心身障害研究で、平成6年度から8年度に詳細な聞き取り調査に基づいた妊産婦死亡の原因の究明に関する研究がなされています。この間の妊婦死亡例230例の内197例が調査され、脳出血による死亡者は27例となっています。死亡率は高く、別の調査でこれは記憶に頼りますが27例中26例が死亡している報告書もありました。

それと

 >とにかく脳外科に搬送して

脳出血時に「帝王切開→脳手術」を行なうか、脳手術のみを行なうかの判断はケース・バイ・ケースであり、また近所の産科医を拉致しても脳外科のある病院に帝王切開が出来るだけの設備が必要です。さらに言えば、拉致した産科医の病院なり診療所でも分娩はあり、拉致後の留守の配慮も必要です。残存している分娩医療機関はどこも多忙ですから、そう簡単に留守状態を作れません。

 >すべての妊婦さんのレアな緊急搬送に対応するインフラ

よい御指摘で莫大な予算が必要となります。莫大な予算と時間ををかければ実現可能ですが、精神論・根性論では対応は物理的に不可能です。基礎知識ですがご参考までに。

投稿: Yosyan | 2008/11/11 16:02

この記事、夜に公開するつもりだったのが、昼のうちに出てしまっていました(笑)。
すずめさん、さっそくコメントありがとうございます。Yosyan先生には早速回答までいただいて恐縮です。

 感情抜きで言ってしまえば、稀な事態だと思います。費用対効果(救える命)という点では、AEDの設置拡大とか、各種ワクチンの普及の方が大きいでしょうから。しかしそうは割り切れないのが、日本の社会であり、報道であり、政治なんだろうと思います。

 医療ジャーナリズムの観点から言うと、このような事件は小さく扱って欲しかったと思います。100億円で首都圏の病院にITを整備しても、脳出血を起こした妊婦さんの救命率が上がるかどうかわかりません。同じ100億円でドクターヘリを増やした方が効果があるようにも思えます。大きく報道することで、あらぬ方向へ世論を誘導してしまうのです。

投稿: ynb | 2008/11/11 21:28

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