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2010/04/14

医療情報の仮想化-医療はiPhoneを消化できるのか

4月から職場が法人化して名称も変わりましたが、いろんなところで考えるヒントをもらいました。いちおうなんでもaas(2)に当たる記事です。

 まずはOpen EHRです。恥ずかしながらこのアーキタイプの概念をまだ自分のものにしていなかったのですが、最近ようやくわかってきた感じがします。とりわけ興味深いのは、Archetypeの策定プロセスにおいて、臨床家にとって必要となる最大限すべての項目を網羅することを念頭に置いていることです。
 従来私たちは、医療情報の概念の一部について、その都度標準を定めて情報交換しようとしてきたような気がするのです。しかし最初に最大限を定めておき、そのサブセットを情報交換に用いるようにすれば、あとの拡張が簡単ではないかという気がしてきました。案外これはひとつのパラダイムシフトなのかもしれません。

 次はiPhoneやiPadです。これからの若手医師はiPhoneやらiPadを持ち歩き、医療現場で活用しようとするであろうということです。参照やリファレンスに用いるだけなら問題はありませんが、当然入力デバイスとしても使いたいという人もいるでしょう。これは医療情報システムを管理する者にとっては大きなチャレンジです。情報リテラシー、情報セキュリティの教育をよほどきちんとしておかないと、遠からず、自分の受け持ち患者の経過や、病棟回診の記録や覚え書きを刻々とTwitterやEvernoteにアップロードする輩が出てこないとも限らないと思います。

 そこで考え至るのが医療情報の仮想化です。ふつうPHRはCloudを前提としますので(P2Pでも案外うまくいくのではとも思いますが)、そのデータのありかはわからないわけです。コピーがCloudに置かれているというだけで、原本データは病院の電子カルテだったり、医師が持ち歩くスマートフォンのフラッシュメモリであったりすると。
 後付けで既存システムのデータを共有するのでなく、病院のシステムであれ,医師の個人用ガジェットであれ、最初からCloud上のPHRにデータを同期するところまでを前提として作り込んでおくべきだと思います。当面日本にきちんとしたPHRがないのなら、末端システムを作る企業のデータセンターにバックアップするという名目の機能を付けてはどうでしょうか。後からそれをPHR対応にするのです。

 私はiPhoneを使ったことがないのであちらのことをよく知らないのですが、MicrosoftのWindows PhoneにはMy Phoneというしくみがあって、データをCluod上にバックアップしています。そんな仕組みを参考に、iPhone向け医療コンテンツ会社もこんなTerm of Serviceを付けてはどうかと思っています。内容はあくまで思いつきのサンプルなので、真に受けないように。まぁブログだからこんな無茶を書けるわけですが(笑)。

このレジデントマニュアルの価格には、あなたがこのiPhone/iPadに入力した患者情報を予期せず漏洩した際の賠償責任保険料が含まれています。あなたがこのレジデントマニュアルに登録したあとは、あなたがこのiPhone/iPadで入力する情報は、基本的にすべて当社若しくは提携先のCloud上のサーバにコピーが保存されます。その内容は機械検索され、あなたが予期せず患者のプライバシー情報を入力している恐れのあるときはあなただけに注意喚起します。

PHR事業体からのTerm of Serviceはこちら。
あなたがこのPHRに登録したあとは、あなたがこのiPhone/iPadで入力する患者情報は、基本的にすべてCloud上のPHRに保存されます。その情報を患者若しくは他の医療者に開示するか否かは、PHR側で設定していただきます。初期設定は「患者・医療者ともに開示する」となっています。

おまけ
 私はまだ使ったことがないのですが、Evernoteには日本語版があります。が、Privacy PolicyやTerm of Serviceは英語版のみなんですね。みんな読まずに使っているのでしょうか。セキュリティ問題とかである日突然サービスが停止され,手元にはデータが無くって困る人も出てくるのではないでしょうか。私がEvernoteを使うとしたら、そのサービスレベルも気にして確認すると思います。

参考過去記事: なんでもaaS(1) 情報自体の仮想化、Data as a Service: 手の届く範囲だけでもなんとかしたい.

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