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2010/09/17

ペーパーレス電子カルテでは署名済み同意書のスキャンは不要

日本診療情報管理学会に来ています。最近学会で感激することが少ないのですが、地味な内容を地道にわかりやすくまとめて発表している若い発表者の方が印象に残りました。今回は得るところが多かったので書き留めておきます。

 まずは西本先生のがん登録の講演の終盤で、Patient Like Meに言及され、「患者のためのがん登録とは」という視点を聴衆にもたらしたこと。私も「患者発生の医療記録」のことをしゃべってきましたが、今後は我が国でも、がん医療の世界から少しずつHealth 2.0の時代に入っていくのかもと思いました。

 次はポスターでの電子カルテの印刷問題。PDF作成ソフトで電子カルテの印刷出力を整理する発表と、電子カルテの印刷機能では院内の記録すべてを網羅できない問題点を指摘しつつ、印刷内容を改良した発表。私も以前から病院内の電子化されたシステムのすべての出力を統合・凍結してアーカイブするシステムが必要だと考えていますが、その必要性を現場から再確認させてくれた発表でした。企業の皆さんは是非このシステムを作ってほしいですし、診療情報管理士はPDF作成ソフトを使ってこの機能を手動で実現することが可能だし、それが業務の一部になっていくのではと思っています。

 そして最大の収穫は、「電子カルテでの説明同意書の運用」という大阪の枝光さんの発表。ペーパーレス電子カルテ運用において、署名済み説明・同意書のスキャン保存は、追記等がない限り不要だということを明確に示していました。スキャンせずに倉庫に直行、5年後に廃棄でよいのです。私も今まで似たようなことを喋ってはいましたが、公の場で明快に整理してもらったのはこれが初めてだと思います。
 以下は私の感想ですが、だいたい裁判などで問題になるのは、説明義務違反です。署名付き同意書のスキャンがあっても、「あれはろくに説明されずにサインだけ求められたので無効だ」と主張されれば、反論はしにくいと思います。医師法に基づく診療録に、説明内容があり、同意を得たことが記載されていれば、それで十分だと思います。

うーん、「自分も言いっぱなしではだめだな」という気分と「やっぱりその道の専門家に入れ知恵してまとめてもらう方が最高だな」という気分と半々です(笑)。

2011/11/16 追記
ちなみに、電子カルテに虚偽の記載をすると、公電磁的記録不正作出と同供用(刑法161条の2)で逮捕されることもありますので、その記載にはけっこう重い意味があります。

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