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2012/02/26

トヨタが家や電話を売るように、IT側もクルマに目を向けよう

最近、トヨタがやっていることを知る機会がありました。

リンク: PHV・EVご自宅・充電設備工事.

リンク: トヨタ、KDDI、Wi-Fiを活用した次世代テレマティクス向けアクセスネットワーク構築に向けた協業について合意 | 2012年 | KDDI株式会社.

そこで、車とITに関する荒唐無稽なアイデアを考えてみました。

●3G回線帯域のピークシフト

 これからの時代、電気自動車が普及すると、充電のための電力消費ピークが出勤後の朝と帰宅後の夕方に来るので、そのピークをならすためのピークシフトを考えなければいけないようです。帰宅後はタイマーで深夜帯に充電することはできますが、出勤後の需要に応ずるには充電のための蓄電設備などが必要になります。こういった事情もあって、自動車会社が充電インフラのことを深く考えているのですね。
 IT業界でも、昨年の夏にハードウェア・ソフトウェアの企業が電力のピークシフトや節電をおこなう対策を打ち出しました。昼間はノートパソコンをバッテリ駆動することで電力消費を減らそうといった試みです。「なかなかやるじゃないか」とその時は思ったのですが、最近、おなじことがワイヤレス通信帯域にも言えることに気づきました。

 例えば、携帯電話回線帯域のピークシフトです。自動車会社が電力のピークシフトのことを考えるように、携帯電話や3G利用PCが率先して、不要不急のダウンロードをピーク時以外に回すとか、キャリアの回線混雑状況をみながら柔軟に帯域制限をかけるとか、工夫の余地があると思いました。これは端末側のみでなく、クラウド側でもhotmailやgmailの帯域を(ユーザーには気づきにくい形で)絞ることができるかもしれません。最近は余り聞きませんが、携帯電話でも休日夜間だけの利用なら安くなる料金体系があったように、昼間は極端に遅いけれど安いという料金プランを作るべきだと思います。

 コンテンツ提供者サイドでも、コンテンツを「今ダウンロードする」 「明朝までに」などと選べるようにして、帯域節約に協力してくれたユーザーにはポイントを付与するといったビジネスが考えられるでしょう。

●家と繋がる車はパソコンであり、モバイルルーターになりうる

 トヨタなどが進める家と車の融合でも興味深い考えが浮かびました。私もハイブリッド車に乗っていましたので、車にコンセントがある安心は実感していました。今回ヒントになったことのひとつめは、車が家庭のコンセントに繋がると、家は非常用発電機を得たことになること、二つめは、車の充電スタンドに無線LANスポットが作られていることです。

 車がコンセントに繋がって家の一部になる時代になると、従来の家庭のITにも影響を与えるような気がします。車がコンセントに繋がると家は非常用発電機を得たことになりますが、同時に車にはアンテナがあり、カーナビなどのコンピューターも積まれています。これを「曲解」すると、車がコンセントに繋がると家はパソコンを得ることになるとも考えることができます。つまり、車はデスクトップパソコンやホームサーバーの代替になる可能性があるのです。もう一つ、充電スタンドが無線LANスポットになるなら、車がWiMAXやLTEのモバイルルーターの機能を持っても良いことになります。「トヨタは将来、トヨタ車に順次Wi-Fi機器を搭載する方針」とのことですが、Wi-Fiルーターを搭載したらどうなるでしょうか。

 車を夜間電力で充電するように、夜間に車がコンテンツをダウンロードして、同じく充電中の携帯電話に無線LANやPLCで転送する。まさしく「オフロード車」ですね(笑)。

 このように帯域の平準化を考えると、CPUリソースの平準化にも思い至ります。夜間に車載のCPUリソースをグリッドコンピューターとして使う時代が来るかもしれません。電力が既にそうなっているように、余った帯域やCPUリソースを売買する時代がやってくるような気がします。車も低速とはいえクラウド・コンピューティングのリソースの一部を担える可能性がありますし、停電災害時には特に威力を発揮するでしょう。
 ついでにいえば、携帯電話も持ち主が寝ている間はCPUと記憶域を持て余しているわけですから、活用の余地があると思います。

●車が公衆無線LANスポットに

 車がモバイルルーターになり得るということは、従来の公衆無線LANスポットの概念も変わってしまうことになります。駐車中の自動車がWiFiスポットになることができれば、従来無線LANが使えなかった場所でも使える可能姓が増えます。トヨタ車のオーナーがKDDIのau携帯利用者に無線LANスポットを提供する代わりに、自分の携帯電話料金は割引になるといった料金プランも考えられるかもしれません。
 また、ベストセラーの電子書籍や音楽・動画などは、夜間にキャッシュされた隣家の車からダウンロードするようになることも考えられます。

●車内、移動中のIT環境改善・音声コンテンツ提供の余地

 そう考えていくと、車のIT環境も改善の余地があります。車内で携帯電話やiPodやWalkmanを充電したり接続するための規格も固まっていない気がします。パソコンもそうです。昔はシガーライターから電源が取れましたが、いまは標準装備とは限りませんし。

 同様に車内の通信環境にも改善の余地があることがわかります。自動車だけでなく、電車内もです。「ヒトの時空間リソースの壁」の範囲内での隙間を考えてみましょう。人間の1日から睡眠や食事などを除くと、家庭と職場と移動ということになります。家庭にもブロードバンドとパソコンがあり、職場も同様です。移動中はモバイル端末があるわけですが、車や電車に乗っている間はモバイル回線以外にブロードバンドが使えても良いはずです。飛行機に機内販売があるように、車や電車内の無線LANからコンテンツを買えばモバイルより安いという状況が作れればビジネスになるかもしれません。

 電車で移動する際、私たちはパソコンも使えるしテレビ視聴も読書もできます。しかし自分で運転する車では音声のみになります。現在はラジオかCDか持ち込んだ携帯音楽プレーヤーくらいで、すべてprefabricatedな音源です。車はパソコンでありモバイル機器なわけですから、車用に音楽やオーディオブックのオンデマンド配信をしてくれるサービスの余地があります。近未来の車のプロモーションビデオでは、運転者が車と会話していました。「スティーブジョブスの伝記の昨日の続きを朗読してちょうだい」というのもありだと思います。

 無発声携帯電話の考察でも書いたのですが、車に限らず、音声限定のオンデマンドコンテンツが不足しています。羽田空港に行くバスに乗ると、前方の掲示板に「見えるラジオ」のニュースがずっと流れていますが、その音声版があっても良いのにと思います。飛行機の中でもさまざまな音声チャンネルがありますが、それを自家用車向けにオンデマンドで販売しても良いでしょう。iTunesのGeniusには音楽や映画はあるようですが、「知識」がないのです。例えば私が「プレゼンテクニックの向上に興味がある」ということを機械に知らせておけば、車を運転中に「プレゼンテーションZEN」の朗読や、ジャパネットたかたの社長のインタビュー音声などをリコメンドして聞かせてくれるとすれば、お金を払う人もいると思います。情報爆発の現代、コンシェルジュやらキュレーターの重要性がどんどん高まっているでしょうから。

●トヨタが家や電話を売るように,御社の売る物は?

 ポケコンやMZ80の昔からシャープ製品を愛用していた私ですが、MZ-2861を最後にずいぶんご無沙汰していました(インターネットビューカムを除く)。
 しかし現在はINFOBAR A01とGALAPAGOS A01SHというシャープ製端末を身近に持ち、GALAPAGOSストアで週刊誌を定期購読、話題の新刊は即買するという、つかの間の(?)幸せを楽しませてもらっています。パナソニックやソニーとともに薄型テレビで大赤字の同社も最近では書籍を売っているくらいですので、情報通信やIT企業も、クルマと家が繋がる時代に対応した何か別のものを売るように知恵を絞って欲しいものです。

「何でも仮想化」みたいに「何でもピークシフト」、「何でもスマートシティ化」(笑)を試してみると、何か面白いものが生まれてくるかもしれません。

リンク: 携帯トラフィック急増で再浮上するネット中立性問題:ITpro.

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