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2003/12/17

電子カルテのASPやデータセンター化は許容されるか

「古瀬幸広のOFFSIDE」Blogバージョンプライバシーの危機・電子カルテ編にコメントしようとしたら字数制限を超えたので、こちらに書きました。
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うーん、そういう感想を持たれましたか。私はこれに関係していませんが、今あるもののなかではこちらを評価しています。まだ発展途上ではありますが。

 まず、患者の同意はもちろん得ています。まあ説明の仕方が難しいとは思いますが。
 最近読んだ米国Health Management Technology誌の記事では、患者が自分のICカードを医療機関に渡す行為自体を自分のデータへのアクセス許諾とすることになっており、別の同意を必要としなくなったとのことです。医療情報を守るHIPPAという法律があり、また娘のレントゲン一枚とってもらうために書類に何か所もサインさせられた米国での話だけに説得力があると思います。

 残念ながら、医療機関の中にとどまる電子カルテの方がセキュリティが断然落ちます。専門知識のある職員配置ができないためです。医療機関に管理を任せたのでは、パスワードを紙に書いてモニタに貼るような人に個人の大事な医療情報を任せる結果になりかねません。
 データセンターで、知識のある職員がきっちり管理すべきです。私はセンターの規模として、市町村か都道府県単位を考えています。電子カルテのセンター保存はまだ条件つきでしか認められていませんが。
 この事業は、古瀬さんが末尾に書かれたように、カルテが医療機関の物だという発想でなく、カルテは患者の物であるという発想を具現化しようという理念を持っています。私も同じ発想で考えています。
電子カルテ雑感2002(京都大学の吉原博幸先生の文章)

 患者側に互換データを持たせようという試みは、15年くらい前からあると思います。光ディスクやICカードを持たせるなど。でも結局バックアップが必要になるので、私はデータはセンターに、キーだけを患者に持たせるという方法を支持しています。それこそケータイにでも。

 みんな、自分の預金口座のデータをデータセンターに預けているのでは。

 カルテを医療機関から患者の手に取り戻すことによって、風邪と診断した上でも抗生物質を闇雲に出す医者と出さない医者があることが患者にわかる。すなわち医療の透明性が向上すると考えています。現状では、ひどい医療機関でひどい医療を受けている事実が、他の医療機関にはわからない仕組みになっているのです。

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