小児救急での電話相談体制-あの64億円はどうなった?
夜間・休日の救急ダイヤル創設 厚労省、子供の急病に助言という報道がありました。全国共通の短縮番号 「#××××」 、に電話すると地元の小児科医が相談に乗ってくれるというわけです。番号は今月中に決まるとのことでした。
昨年の今頃、補正予算で小児救急遠隔医療補助事業という話題があって、小児救急とテレパソロジー(遠隔病理診断)という首をかしげざるを得ない組み合わせに戸惑ったのを思い出します。そんなものでなく、別の使い方があるだろうにと思いました。もちろんその場限りの補正予算なので「小児科医を増やす」といった人件費というわけにはいかないんですけど。
で、今年出てきたのが電話相談体制。半額補助で予算は5億円とも聞きました。これでは電話交換機の設定代にしかならないのでは? 相談にあたる小児科医については「地域の皆さんで努力してくれ」というわけでしょう。人件費が出せないようでは、効果があるのか怪しいと思うのですが。。。
●遠隔医療の流れ
小児救急支援で補助金 厚労省 遠隔通信機器導入に総額64億円
小児救急医療NWの全国整備へ遠隔医療機器の購入を補助/04年度から厚労省
結局、小児救急遠隔医療補助事業の結果はぱっとしなかったようです。予算は64億円も使われなかったのでしょう。
●電話相談の流れ
広島の小児救急 専門医が電話ガイド
医療ルネサンス 小児救急・電話相談で受診判断
厚生労働省 平成16年度概算要求主要事項
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コメント
電話での相談では、限りがあると思う。ないよりはマシというものでしょう。医師は、患者さんを診て、診断するし、患者さんの親は、医師の姿を見て安心するもので、適切な表現が、電話でのやり取りでは、出来ない可能性が多いと思います。
投稿: super7 | 2004/02/14 07:38
コメントありがとうございました。電話事業は、軽症患者が救急に殺到する事態を打開するため、たとえば「朝まで様子を見て良いかどうか」を電話でアドバイスするというものだと思います。一定の効果はあるでしょうから、事業自体はうまくいって欲しいと思っています。
投稿: ynb | 2004/02/14 08:18
テレパソロジーってか、遠隔医療に保険点数がつくのは、へき地に限る・・・ってのが足かせですな。
かつて、島根!医療!と言えば億の金が動くキーワードでした。
今でも、地方へ行けば行くほど高額なモダリティが置いてあったりします。
「そーーんなもの置いても読影できる医師いないぢゃん!」ってのが日本流らしいですな。つまり、ソフトウェアである小児科医師のメンテナンス料より、バカなメーカのハードウェアにお金を払いたい お国の政策に問題があります。
電話相談だろうが、テレパソだろうが、高額報酬がつけば夜間暇になった診療所の医師がアルバイトしますって。お金儲けは好きですから。
投稿: Thunderbolt2 | 2004/02/19 19:32
ようこそおいでくださいました。今は開業医の経営がどんどん厳しくなっているので、そういうアルバイト、イヤでもやらざるを得ない時代も近いかも。
投稿: ynb | 2004/02/20 01:02