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2004/01/01

メーリングリストネチケット(MLのエチケット)

またちょっと思うところがあって、テストをかねて従来サイトのコンテンツの転載です。
                                   2002/10/16-2003/10/9


 最近、私のような古くからのマニア(笑)だけでなく、一般の人もメーリングリスト(以下MLと略します)を使うようになりました。そこで、古くからのネットワーカー(この言葉も古い!)が何となく身に付けてきたであろうエチケットを、メーリングリスト向けに絞ってまとめてみようと思い立ちました。1年近くリンクを列記したのみで工事中でしたが、ついに形にすることができました。

 以下の内容は、末尾のリンクを参考にまとめたものですので、多くは私のオリジナルではありません。総説ということですので、矛盾する内容は両論併記としたつもりです。また、これだけ集めてみると堅苦しく思えてきますが、もちろんこれをすべて守ることを強要するものではありません。私自身も守れていない項目もあります。特に★マークは私の持論ですので、異論のあるところだと思います。まあ「ML作法山野辺流」というところです。気に入ったところのみお使い下さい。
 あと、エチケット以前の違法行為などについては、ここではほとんど触れていません。


1.基本テクニックや設定

  • 一行は30から36文字程度で改行する。
  • 段落頭に字下げや空改行を挿入して見やすいメッセージにする。
    …とはいえ、全文を一行空けて書くと嫌われるようです。
  • 半角カナ文字は使わない。
  • 機種依存文字は使わない。……まあこれは「お約束」ということで(笑)。
  • HTMLメールは送らない。テキスト形式になるよう、メールソフトを設定する。
  • メールソフトの自動改行挿入機能は使わない。★(詳細後述)
  • 題名はメールの内容がわかるものにする。「どなたか教えてください」は悪い例の代表。
  • 題名はそのMLの規則に則ってつける。
    …昔は日本語の題名は読めない人がいるので避けようと言われていましたが、最近は逆の事も言われています。英語の件名のついたウィルスメールが多いためです。
  • メッセージ内に署名を必ずつける。
  • 署名は短めにする。…4行以内という意見もあります。
  • 署名をつけ忘れたからといって署名だけの送信はしない。

  • 長期間読めないときは脱退や一時配信停止を考慮する。
  • テストのためのメールを送らない。
    …送るのだったら、ついでに自己紹介をつけましょう。さらには読み手が興味を持ってくれるような話題提供もつけましょう。こうすることで、もはや無意味なテストメールとは誰も呼ばないでしょう。
  • 配達証明、不着時情報、休暇中自動応答などの機能は使わない。

2.送る文章の種類や体裁

■基本■ 自分が他人にしてもらいたいことを、他人にもするように心がける。
  • 他人の電話番号などプライバシーに関わる事項、秘密を漏らさない。
  • 他人からの私信を許可無くMLに転送しない。
  • メーリングリストの投稿内容を許可無く外に転送しない。
    …一部の公的メーリングリストなど例外はあり得ると思いますが。
  • 私信のつもりでMLに返信しないよう留意する。
  • もし私信をMLに流してしまったら、お詫びを送る。
  • MLの抜け方の質問や一時配信停止依頼などはML本体に送らない。管理者に送る。
  • MLのメールが送られてこないトラブルの質問などを当のMLに送らない。1日は待つ。
  • 巨大なメールを送らない。…100行が目安との意見もあります。
  • 添付ファイルも原則的に禁止。
  • デマ、チェーンメールを転送する事でこれらに加担しない。
  • クロスポスト(複数のMLへの同報)には謝罪をつける。
  • 文字による図を作るときは、フォントによっては正しく表示されないので注意する。

  • 主題を先に書く。
    …最初を読んで興味がなければ読み飛ばしてもらえるように。
  • 引用は短めに。
    …私自身は原則として引用はしないことを勧めています。★

  • 広告は嫌われることもあるので注意する。
  • イベント告知も嫌われることがあるので注意する。
    …たいていは嫌う方に問題があるようですが。★

  • ひとつのメールで、かけ離れた複数の話題を扱わない。
  • 行頭の#は、コメントや独り言、本題に関係ない余談を表している事が多いので、あまりこだわらないようにする。
  • 質問にたくさんの回答をもらったときは後で要約を投稿する。

  • 初心者へは寛容に。注意はできるだけ私信で。
  • 自分に厳しく、他には優しく。相手にマナーを要求しない。
    …「ネチケット違反を指摘する文章はえてしてネチケット違反の典型である」との言葉もあります。「誤字脱字の指摘のみというメールは最低」との意見もありました。

  • MLの目的に反するメッセージは避ける。
    …MLによっては規制しすぎるのも良くないかもしれませんが。
  • 招かれていない私的メーリングリストにメールを送らない。

3.送る文章の内容

  • 多くの読者に読まれる文章であることに留意する。
  • 文章が保管され、後からの参加者にも読まれる可能性があることに留意する。
  • 書かれている内容は多くの場合個人の意見であり、属する組織の意見でない事に留意する。

  • 元の話題から脱線しないように心がける。
  • 脱線するときは新規の話題として投稿するか改題する。★
  • 改題するときは、元の話題がわかるように一部を残す。★(詳細後述)

  • 論争時は相手の人格でなく内容に議論を集中するよう心がける。
  • 送信前に、面と向かって言える内容かどうか、明快な文章になっているか確かめる。
  • MLは自分を中心に回っているわけではない。答えが来ること、すぐ来ることを期待しない。

  • 意見が一致しない時は、個人宛メールで相手と議論し、後で要約を流すとよい。
  • (逆に)ML上の問題はMLで解決すべきで、個人宛メールを使うのは良くない。
    …私は後者を支持します。★

  • 感情的論争や喧嘩(フレームとも言う)に巻き込まれない。
  • 火のつきやすい話題も避ける。
    …MLの性格によりますが、宗教と政治はその例と言われています。

  • 言わずもがなの返信をしない(御意とか私も一票とか相槌だけのメールなど)。
  • 映画や本のネタばらしをするときは、冒頭でその旨警告する。何行か空行を入れるのも良い。
  • 読み手を楽しませるメールを書こう。ジョークのひとつも入れる。
  • とはいえ、見境のないジョークは嫌われる。

4.メーリングリストに特有の問題

  • 参加後すぐに発言せず、まずは数日間読んでみてそのMLの雰囲気を知る。
    …1,2か月と書いている人もありますが、長すぎでは。

  • ROM(Read Only Member,読むだけで発言しない人)を批判しない。★
    …「読んでいるはずなのに黙っているのは卑怯だ」など。

  • 個人の指名(召喚とも言う)はしない。ただしMLの管理者やその話題の過去の参加者などは例外。★
    …「この問題は○○さんが詳しいと思うが、いかが?」「ここには○○省の□□さんもいるはずだが、どうお考えか?」など。

  • 引用は原則としてしないことが望ましい。★(詳細後述)

  • (^0^)/~などの顔文字は視覚障碍者には理解しにくい事を頭に入れておく。★
  • 利用者の行為に対して管理者を非難しない。
  • 善意の管理者を責めない。★
  • 新しい話題を他のメッセージの返信として送らない。
    …スレッド表示をするメールソフトで表示が乱れるためです。

5.管理者の心得(管理者の世界は厳しいですネ)

  • 指針を明文化しておく。

  • 要望はすみやかに処理する。一日以内が理想的。
  • 旅行などで留守をして、管理できないときは代理を立てる。

  • チェーンメールなどは特に早く対処する。
  • 利用者への苦情はなりすましも考え慎重に調査する。
  • 管理者アドレスへの投稿を必ず読むようにする。幽霊アドレスにしない。

  • FAQ(良くある質問と答え)を定期的にMLに流すようにする。

6.★マークの解説

この部分は特に私の持論の押しつけに近い部分ですが、その一部について解説します。興味のある方は参考にして下さい。
  • メールソフトの自動改行機能は使わない
     これは、私が主に使うメールソフトがその機能を持たないことに起因します。確かに便利な機能ですが、問題もあります。まず、引用するときに「>」などの記号を付加する事が多いですが、そうすると一行の文字数が増えてしまいます。これを自動改行すると、あふれた1,2文字が次の行に送られ、大変に見にくいメッセージになってしまいます。この処理の多くは送信時に行われるため、予見しにくいのも問題です。
     次に、自動改行せずに35文字くらいで改行を手動で挿入するようにすると、その作業の段階で誤字や脱字を発見できたり、文章の推敲ができるという効用があります。文字数を数えるための私の工夫を紹介します。私は日本語IMEに読み「をを」で「あいうえおかきくけこさしすせそたちつてとなにぬねのはひふへほまみむめも」を登録しておき、行頭でこれを入力して目安にしています。

  • メーリングリストでは原則として引用はしない
     これは以下への反省に基づいています。
    • 引用の中に自分の意見を紛れ込ませると、見落とされることがある。 揚げ足取りと誤解されやすい。部分引用になりやすい。 文章の構成力が育ちにくい。
    • 部分引用は誤解・不毛な喧嘩のもと。
    • 長々と>で引用したあと、「激しく同意!」の一言では読み手は不快。
    • 改行を自動挿入するメールソフトでは引用部分の表示が乱れることがある。引用のための >で行内文字数を増やすとなおさらこれが起きやすい。
    • 無用の引用により配信サイズが増え、視覚障碍者など音声でメールを読む人に迷惑をかける。ネットワークが混雑する。
    とはいえ、全く引用しないのも難しいので、私は「>>>>>」で区切って末尾にまとめて引用するとか、「>」を行頭につけない、あまりに長いときは(中略山野辺)などと断って省略するなどの配慮をしています。配信の多いメーリングリストでは、返信のきっかけになったメールを以下のように明示することもあります。
     例 >>> ○○さんの[hogeML:001372] への返信です >>>

  • 以前書いたいまどきメールの引用はまだ必要かも参考になれば幸いです。
  • 改題するときは、元の話題がわかるように一部を残す
     これも私のメールソフトがスレッド表示をしないことに起因します。改題自体は表題と中身がかけ離れるを防ぐためにお勧めしたいと思いますが、「A」という題名からいきなり「B」に改題されると、それ以前の話の流れをさかのぼれなくなります。また、「不用意な改題は最初の話題の提供者に失礼だ」との意見もありますので、注意すべきでしょう。改題するなら「B-A」とか「A-B」とか元の題を残すべきと考えます。

資料編

リンクを見ると、けっこう古いものが多いですね。1996とか。
http://www.cgh.ed.jp/netiquette/(リンク集としてはこれですが?)
http://www.cgh.ed.jp/netiquette/hituji/neti3hon.html
 (読み物としてお勧め)
http://www.kt.rim.or.jp/~atsato/beginer/index.html
 (長文お勧め)
ネチケット千夜一夜(http://www.big.or.jp/~roadist/netiquette/)の第14夜 議論のページに、「何のために議論する」という項目があり、大変参考になりましたので、特に記します。
http://www2.ktarn.or.jp/~toy/netiquette/
 (メーリングリストに限らなければ、こちらもお勧め)
http://www.iajapan.org/rule/
 (こちらもメーリングリストに限らなければ。良く整理されてます)
http://www.stylishlife.com/00mail/ml-netiketto.html
http://village.infoweb.ne.jp/~biyou/MLnetiketto.htm
http://www.oita-nhs.ac.jp/ML/netiquete.html
http://www.j-naos.net/ml.htm
http://www.ipc.hokusei.ac.jp/center/netiquette.html
http://home.highway.ne.jp/flower/netiquette/index.htm
http://www.ippo.ne.jp/netiquette/mail/05ml/
http://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Ocean/2103/reply.html
http://www.edu.ipa.go.jp/kyouiku/internet/maillist/maillist.html
「こんなのもあるよ」というご意見はyamnobe@netscape.netまでメールをお寄せ下されば幸いです。

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「ネチケット」 …聞きなれない言葉だと思う。 しかし、僕が大学に入った頃は、よく耳にした言葉だ。 「インターネット」「ネットワーク」などの 「ネット」と 「エチ... [続きを読む]

受信: 2004/01/28 23:48

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