「入院患者の1割超に医療事故」はウソでは?
医療事故の定義がぶれてきた? の続報です。
3月19日、報道各社は次のように伝えました。
「入院患者の1割超に医療事故」、「入院中の事故10人に1人」
3月24日のケアネット・ニュースの記事は少し詳しいです。
カルテから分析 30病院で医療事故調査(リンク先ないためホームにリンクしてます) Japan Medicine(株式会社じほう)
研究は、今年度からの3年計画。無作為抽出したカルテ、看護記録などを、「別の急性期病院への予定外の転院」など18の基準に沿って看護師がスクリーニングしたうえで、複数の医師が再検証して有害事象の有無を判定する。更には日本の在院日数が長いので、在院日数の短い外国と比較すると入院中に有害事象が起きても通常の在院期間中に回復する可能性があるとのこと。このことは、今回の予備調査の数字が少なめであるということを示唆しています。本調査ではもっと高い数字が期待されるというわけです。
やはり「医療事故で死期が早まったり、入院延長されたりした患者が10.9%」だったのではなく、「医療事故で死期が早まったり、入院延長されたりしたなど18の基準に当てはまった患者(有害事象を経験した患者)」が10.9%だったのでは? なんだか最初の報道は限りなくウソに近いものだった確率が高くなったような気がします。
「医療事故で死期が早まったり、入院延長されたりした患者は10.9%」でなく、「入院中の1割超に何らかの有害事象」と書くべきだったのではないでしょうか。報告書で確認できたらタイトルの「?」も取れるのではと思っています。
2004/12/8 追加とリンク切れの修正
報告書をじかに確認していませんが、その後学会等で取材した結果、やはり、「入院中の1割超に何らかの有害事象」が正解で、「入院患者の1割超に医療事故」はウソだったことが確認できました。
こちらのページの9月7日の項目も参考になるでしょう。
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