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2004/03/07

RN/CIO-ナースがIT責任者になる病院が増えている(米国)

 こちらの職場のITに関する院内会議によく列席させてもらいました。そこで入院部門のシステム責任者と知り合いになり、あとで彼のオフィスに行ってみたのですが、部屋の表札にRxxxx Bxxxx,RNと書いてあるのです。RNといえば、普通Registered Nurseで看護師のこと。別の日に外来の電子カルテの責任者からも名刺をもらいました。彼の名前にもRNがついています。イントラネットの組織図を見てみると、IT部門の幹部10人くらいのうち3人がRN、医師であるMDは一人だけでした。ひょっとするとナースの略じゃなくて、システムエンジニアの資格にRNというのでもあるのかと思ったのですが、調べてみても見あたりません。こちらのIT幹部にはRNが多いことに驚きました。

 折しも、図書館で毎号読んでいるHospital & Health Networksという雑誌の特集がRN to CIOというものでした。私の職場ではCIO(最高情報責任者)はビジネス畑の人ですが、ナースでCIOになる人が増えているようなのです。

 医療機関の現場職員と経営者は考え方がまるで違うということなんですが、RNは医療現場を知っているので、両者の架け橋になり得るわけです。しかし、時には仕事上の最大の敵が皮肉にも現場ナースになってしまうこともあるとか。
 RNがCIOになるためには、リーダーシップとビジネスの知識、技術の理解が必要なのだそうです。リーダーシップの項には、「技術語でなく英語をしゃべること」「全体を見渡せること」「人を見る目があること」と書いてありました。

 彼女たちの動機は何かというと、ナースをやっていては給料が上がらない、出世できない、興味が満たされないというので、勉強してこの世界に移ってきます。
 しかし、先駆者の中には職探しの時にRNという肩書きがかえって邪魔だったという経験を持つ人もいます。雇う経営者の側に、ナースというだけで思考回路が自分たちと違うという先入観を持たれたからだそうです。
 とはいえ、最近は状況が変わってきています。CIOを探す方も、臨床での経験のある人材を重視します。すると、医師よりもナースが先に候補にあがるのです。なぜかというと、ナースは人を管理したり指導する訓練を積んでいるから。

医師にとっては耳が痛い言葉でした…。


 こちらで初対面の人に「日本で何やってる人?」と聞かれるのが一番困ります。IT部門と答えると、「ちょうど良かった。いつもパソコンが壊れて困ってるの、あなたも詳しいんでしょ、何とかしてよ」と来るし、医者と言うと「ビタミンAの多く含まれる食べ物を教えて」、病院システムの開発と答えると「Accessのフォームにうまく計算結果を表示できないんだけど、どうすりゃいい?」、vice CIOなどど言おうものなら「コンサルティングで忙しいんだね」ときます。うーん、どれもできないことはないけど中途半端で…。いっそ「CYO」-Chief Yorozu Officerで行くか!

最高責任者(Dr.森川の人間風車さん)
Cyber titles in alphabetical order(By Zeng Min, Shanghai Star)

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