養鶏場とWindowsはどちらもウィルスに弱い
副題:単一栽培(モノカルチャー)によるウィルス耐性の低下について
鳥インフルエンザというのはいろんな面で怖いです。もちろん医学的には、これが人同士で感染するように変異した場合。そして社会学的には人々に本来不要な心配を募らせてしまうということ。更には農産科学的には養鶏場という高度に合理化された生産システムに大打撃を与えるという問題です。
養鶏場と鳥インフルエンザを見ていて常々感じていたのが、Windowsとコンピュータウィルスの関係です。コンピュータに多様性が少ないからウィルスの被害が大きくなる。ちょうどT's diaryさんが「意識のない人には、何を準備しても...」で、未対策のWindowsがある限りウィルス問題は解決しないというような話をされてましたので、トラックバックさせてもらいました。結局現状のWindowsである限りウィルス問題は解決しない気がします。
同じ機能を持つWindowsでも、中身のコードや処理方法が多様であれば感染しない物が出てきて良いわけです。かつてのNECのPC-9800シリーズ用純正MS-DOS等の製品には、EPSONの互換機では動かずNEC製でだけ動作するようなプロテクトがありましたが、その逆?互換でありながらウィルスにやられないと。
もっとも、手作業でこんなことをするのではお金がかかりますので、システムが自律的にそのような変異を行ってくれるのが理想です。最近の動向はどうなってるのかなと思ったら、いろいろ報道がありました。
OSに多様性を持たせることでウィルス耐性を持たせようとする試みの報道
MSソフトの「単一栽培」はウイルスへの抵抗力を弱めているか(上)と(下)でも、システムよりもウィルスの方がそのしくみを先に身につけそうな気がします。ウィルスのパターンファイルが普及したころを見計らって変異を遂げるとか。自然界のインフルエンザウィルスの変身ぶりを見てるとそのような気がしてきませんか?
コンピュータの「モノカルチャー」研究にNSFが75万ドルの資金提供
ソフトに「個性」持たせる手法を研究 米大学
おまけ
最近は何が起こるかわからないご時世なので、もうひとつ考えたくない悪夢を。「コンピュータウィルスの一部は、愉快犯ではなくてウィルス対策ソフト会社が製品の売り上げを維持するために裏で時々ばらまいていた」なんてことのないようにお願いします。でも、医療の世界では、医者による抗生物質の濫用で耐性菌問題が深刻化しているわけで…。
その他参考サイト
このコラムは昔ですが鋭いですね。
あなたは DNAを信じますか 第7回もっと昔の拙文(笑)。
ウイルスの脅威について考える(前半)と(後半)
マイクロソフトと恐怖の大王
公開11時間後、TBの理由など少し加筆しました。
参考 過去の記事 幼稚園や小学校の鳥が隔離や処分とか
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