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2008/10/05

病棟入力比較(PDA、転がしノート、ベッドサイド端末)

ある方からご質問をいただきましたので、病院におけるpoint of care端末の利点や欠点を私なりにまとめてみます。

 PDA(手のひら型携帯端末)は電池寿命が短い、電池の劣化に伴い定期的交換が必要になる、画面が小さい、落として壊れやすい、製品寿命が短く代替品の確保が大変、高価なため設置台数が限られる……といった欠点が多く、良くないと思います。なぜPDAを使おうとするのか、逆に聞いてみたいくらいです。

 ワゴンに乗せて移動するノートパソコン(私は「転がしノート」と呼んでいます)は、電池の問題以外は解決するものの、ナースの機動性が損なわれるのが最大の欠点です。コストを考えると現実的な選択だろうと思いますが。

 私はベッドサイド端末が良いと思います。欠点を比較してみました。

PDA

転がしノート

ベッドサイド端末

電池寿命が短い

×

×

電池の定期交換が必要

×

×

画面が狭い

×

落として壊れる

×

同等製品の継続的確保が困難

×

コストパフォーマンスが悪い

×

×

設置台数が日勤ナース分しかない

×

×

電子カルテ端末と兼用できない

×

×

病室に有線LANが必要

×

無線LANが必要

×

×

ベッドから離れて認証できない

×

ふだん患者が使えない

×

×

画面を患者が確認しにくい

×

×

ナースの機動性が悪い

×

故障時に交換しにくい

×

 現時点ではベッドサイド端末が最良の方法だと思います。どうしてもコストの問題がありますが、ベッドサイド端末は、端末が患者側にあることが他との根本的な違いです。患者中心の参加型医療の推進には、患者に端末を渡すことが不可欠だと考えるからです。

 ベッドサイド端末は、患者による食事の選択、測定・検査結果の閲覧、医療行為や投与薬剤の目視確認、診療録の閲覧と訴えの記録、確認・同意の意思表示、目的別ナースコールなど、さまざまな未開の領域を開拓してくれる可能性を秘めたツールだと考えています。

 理想的なポイントオブケアの端末環境は、下記の3種類の端末の併用だと思います。

  • ベッドサイド端末は低コストで保守の簡単なシンクライアントもしくはゲームコンソール
  • ベッドから離れた場所に対応するには、インテルMCAのような着脱可能なヘルスケアタブレット。必要に応じてスタッフが持ち歩き
  • ユニファイド・コミュニケーションに対応するスマートフォン。常時スタッフが携帯

関連過去記事 医療用パソコンは看護師向けより患者向けに

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