往きも帰りもドクターコール
以前、某ジャミックジャーナルの連載で、「お客様の中に○○の方はいらっしゃいませんか?」という書き出しの文章を書いていた私ですが、初めて実物を聞く機会がありました。
往きのJL010便で機内が真っ暗になっている頃、「お客様の中にけがをされた方が……」というアナウンスがありました。「これはいくらなんでも自分の出番でしょう」ということで、何も考えずにお応えしました。当然機内では包丁で腹を刺されたとか、頭を金属バットで殴られたとか、脚を複雑骨折とかいうけがはあり得ないので。出ていった先には先に米国のお医者さまが来ておられ、とても丁寧な診察をしていたので、そのサポートと要約清書でお仕事終了。
あとでいろんな人の話を見聞きすると、巷では下のようにいろいろと気にするポイントがあるようなのですが、私は鈍感なのかもしれません。まぁ、「嵐で船も止まった人口5000人の離島に医師はただ一人」なんという経験がけっこうあるせいだろうと思いますが。
「ドクターコールに応じますか?」:オペ・ナース養成講座.
航空機内での救急医療援助に関する医師の意識調査.
ここまでなら何ということはないのですが、帰りのJL009便でも、機内が真っ暗になっている頃に再びお呼びが。。。詳しい内容はここには書けないので、今度お会いしたときにお話しできるかもしれませんが、今度の方は息をしておらず……今回は一人で立派にお役に立てました。アンカレッジ空港に立ち寄ることもなく。
10年ほど前のJALの数字だと、国際線のドクターコールは1000便に1度くらいとのこと。じゃあ一人が往復で両方ともドクターコールに遭遇して援助する確率は?……うーん、やはり日頃の報い、まだまだJALに恩返しが足りないということなのかもしれませぬ。
参考リンク
井蛙内科開業医/診療録 : 航空機内におけるドクターコールと医師の責任
3万フィートの先進医療(機内でのemergencyに対応する)-日本旅行医学会
大空のコードブルー(3万フィートでの心停止)-日本旅行医学会
| 固定リンク | 0
コメント