医療機関IT化の範囲は「電気を使うものすべて」
7月のモダホスの準備の前に、この週末に2つの締め切りをこなさなければならないのですが、今年のお正月に作った文書を先日の職場の会議に出したら受けが良かったので、ここにも書いてみます。
私が着任した頃のITの範囲は、「病院の診療に直結したパソコンを使うすべての業務」でした。外部向けのホームページや職員の電子メールはおまけのような扱いでした。その後だんだんITの範囲を広げてきましたが、私が今後想定するITの範囲とは、極論すれば「電気を使うものすべて」です。当面は「コンピュータを使うすべての業務と電話」ですが、いずれ照明・空調・電気設備・ドアの電子錠といったものもITの範囲に入ってくると思います。
例えば、センターの職員出入り口のカードリーダは現在IT部門の担当範囲ではありませんが、IT部門できちんと管理するようになれば、カードリーダからの入退館情報をタイムカードのかわりに職員勤務管理に活用することができるようになります。
このように、建物や敷地内隅々の情報をIT部門で統括できるようにすることが、今後の経営の鍵だと考えます。
最近は人感センサー付の照明やエアコンが増えています。医療機関でもセンサー付照明を増やして、それをITでモニタできるようにすれば、「夜中に誰も通らないはずの廊下の照明が点々とつく」ということはすなわち患者の徘徊や連れ去り、不審者の侵入を検知できることになります。
他にも、救急医療情報システムに救急患者受け入れの入力をすることによって、入室予定の処置室を暖めたり、救急室から緊急手術のオーダを出せば、手術室からのエレベータが迎えに来てドアを開いて待っているし、無人搬送ロボットがストレッチャーを持ってくるとか。
まぁシステムを高度化しすぎて医療費を圧迫してもいけないんですけど、省エネ効果でシステム費用を出せるくらいでありたいものです。
リンク: 三菱電機、ビルの空調・照明設備を連携制御できるシステムを開発?ビジネス-発表資料:IT-PLUS.
リンク: 空調、照明までも制御! シスコ、4つのグリーンITソリューションを発表 | エンタープライズ | マイコミジャーナル.
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コメント
> 私が今後想定するITの範囲とは、極論すれば「電気を使うものすべて」です
それを統括するとなれば、まさにCYOへ一直線ですね。
LONWORKSあたりを使いますと、ethernetで空調やら照明やらもコントロールできたりしますね。
http://demo.echelon.com/
(San Joseのビルの照明をつけたり消したりできます)
電話やコピー機(複合機)あたりは、今まさにIT部門への移行の過渡期といったところでしょうかね?
このあたりがまだ純然たる事務や総務や管財の部署だったりすれば、その事業所のIT化の程度がわかるというもの(って、うちはまさにその状態だったりします)
ビット起こし、少し気に入っていただいたようで何よりです。
投稿: 【uz】 | 2010/06/05 00:40
「電気を使うものすべて」ですか。
最大限の枠、あるいは発想の枠としてはなるほどと思います。
すると、ハードウェア(デバイス?)と管理(モノと対象業務)と得られた情報の分析利用の3要素を分けなければいけないのでしょうか、ね。
GEのhealthmaginationも医療から行政や福祉までカバーしようという(一部では新しいゼネコン化という揶揄もありますが)大きな発想です。
縦にも横にも広がりつつあるこの分野ということでしょうか。
投稿: maskit | 2010/06/06 11:30