病院で使うなら、iPhone/iPadよりもiPod touchでしょう
以前から、院内の無線LAN環境のみで内線通話のできる安価な仕組みがないかと思っていましたが、手軽に導入できる端末がなくて困っていました。Ciscoの7921/7925やdocomoのonefone、iPhoneも含め、価格や構築費用など、どうもしっくりいきませんでした。
リンク: 無線LAN-IP携帯を端末の無線LANカードがわりに: 手の届く範囲だけでもなんとかしたい.
先日、9月発売のFaceTimeの使えるiPod touchが思いのほか安くてニーズに合っていることに気づき、さっそく2台購入しました。
案の定職場ではFaceTimeのアクティベートもできず、WiFiのある自宅に持って帰って、アクティベートと接続を確認しました。次は、ファイアーウォールやプロキシなど、職場の環境下で使えるか擦り合わせ中です。
iPhoneだと月額基本料がかかります。iPadは大きすぎるうえに今のところカメラがありません。私が知らないだけかも知れませんが、世の中はスマートフォンブームのため、Windows陣営、Android陣営にはiPod touchに対応する製品がほとんど存在しないように思います。
iPod touchの利点は、日本の医師の多くが大好きなiPhoneと同じ操作性、アプリ互換性を持つことで、受け入れてもらいやすいことです。医療機関のセキュリティポリシー次第ですが、病院が支給するiPod touchを院内PHSの代替+モバイルイントラ端末として活用すれば、中小医療機関を中心に、案外うまく使えるのではないかと思っています。医師の持ち込みiPhoneも組み入れられるかもしれません。すわ医療3.1か?ただFaceTimeだと内線通話にとどまらないですが(笑)。
あとは、iPod touchでenterprise voiceとプレゼンス統合ができれば言うことないのですが。悩みはつきません。そんなことを考えているうちに、こんどはauのSkypeケータイが登場。どう使いこなせばいいのか、ますます難しい時代になってきました。
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コメント
はじめまして、某病院の副院長をしております
水野と申します。
貴ブログの記事を拝見し、あまりに嬉しかったので
コメント致します。
現在、当院ではナースコールが老朽化しており、
これを機にナースコールの刷新のみならず
ナースコールと内線・外線電話との統合を考えておりました。
そこでさらに、この内線およびナースコールの子機端末として
iPod touchが使えたら良いなぁと思う日々でありました。
そこで貴ブログの
「病院で使うなら、iPhone/iPadよりもiPod touchでしょう」
を目にし、同様な事を考えている先生がいらっしゃる事を知り
単純に嬉しくなりました。
現在各社に質問を送っており、数社からは案の定
「iPod touchとか無理です」という御返事を頂いている段階です。
単に内線・外線の子機としてiPodを使うだけなら
www.renbiz.com/html/ip_bnp02.html
などで、可能な様です。
(もちろん、ここの業者さんと私は現在何の関係もありません)
上記3系統の連動につきましては、
PHSと、外線・ナースコールの連動ならWillcomや日立などで できる様ですが
iPod touchとなると全く見当たらす色々探している所でした。
このため記事を拝見し、とても励みになりました。
また記事には内線について記載されていますが
外線との統合についてはどのようにお考えでしょうか。
ご名案がありましたらご教授の程、宜しくお願い致します。
以上、長くなりましたが「嬉しくなりました」というコメントでした。
投稿: 水野 | 2011/02/28 17:27
水野さま、コメントありがとうございました。iPod Touchで外線通話統合というと、仕事がら有名企業の皆さんの出入りが多いので、すぐに思いつくのは、Cisco Mobile for iPhoneというアプリです。
「Cisco Mobile 8.1は iPhone上に完全な形でCisco Unified IP Phoneをシュミレートします。つまり社内の内線電話機能を全てiPhoneとして持ち歩けてしまうのです」
https://www.myciscocommunity.com/community/japanese/collaboration/blog/2011/01/19/cisco%E3%81%AEiphone%E7%94%A8%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%AA-cisco-mobile-81%E3%81%8C%E3%81%99%E3%81%94%E3%81%84
とのことです。
ただし、実際に無線LANで美しい内線通話環境を構築するには、(たとえば無線LAN IP電話で廊下を歩きながら途切れることなく話すには)、無線LANの機器や設計がファーストクラスでなければならないように思います。それではせっかくiPod Touchで安くあげようという趣旨に相反するようにも思います。
限界をわきまえつつ、ご紹介の業者さんあたりと二人三脚で構築する方が楽しいかも知れませんね!
いっぽう私は最近「無線LAN衰退説」に傾倒していることもあり、「iPod Touchで無線LAN」と対極の「無線LANなしで構内3G利用」いわば「無線LANなしで全部iPhone」というのも検討しているところです。ナースコールも内線電話も全廃して普通の携帯電話ですませるということですが、あまりに荒唐無稽かも知れません。
現在iPod Touchでは企業内プレゼンス交換とインスタントメッセージは可能になっています。病院のITインフラの調整も必要ですが、次に試したいのはFaceTimeによるテレビ電話です。
投稿: ynb | 2011/03/02 19:53
丁寧なご回答ありがとうございます。
今回、同記事の後に先生のブログの
「クラウド+4Gの時代になると無線LANは衰退するのでは」
https://inter.way-nifty.com/ynb/2011/01/glan-662b.html
を拝見し、将来的にその通りになると私も確信しております。
今回は代替案(機器)を比較的早急に用意しなければ
ならないため、たった今現在で代替を探すなら
無線LANかな、と思っておりました。
先生にご教示頂きましたCiscoにも
まさに先日 コンタクトをとった所でありました。
ありがとうございます。
一方、iPhoneとナースコールとの連携を試みている企業も
あるようで、その企業は夏頃に試験運用開始ということでした。
まだ値段等も決まっていないそうですが
説明しに来てくださる様です。
また先生の
「無線LANなしで構内3G利用」いわば「無線LANなしで全部iPhone」
について、通常の通話等は問題ないでしょうし、
ナースコール側からのコールの振り分けや、割り込み等が
できれば話は早そうです。
その場合、本筋とは別の、
「3G等に対応した細々とした機器(ボタン式のナースコール端末)等」は
現状で存在しますでしょうか。
もしくはさらに進んで「ボタン式ナースコールをなくしてしまった場合」、
ボタンを押すという単純な動作しかできない方も(脳梗塞後などの方)
コールができるしくみは何かありますでしょうか。
ここがクリアできれば自分の中で話が前進しそうです。
また3GであるとiPhoneで 少し重めのファイルのやりとりを
する場合に回線速度がもうすこし欲しくなるのでは、
と思ってしまい、二の足を踏んでしまっております。
FaceTimeによるテレビ電話は面白そうですね。
投影ができればテレビ会議にも発展させられますし。
本当に今回は先生のこの記事を拝見して幸せ、
さらにご返信まで頂いて幸せの限りです。
ありがとうございます。
ともあれ先生のますますの発展をお祈りしつつ
ブログを拝見していきます。
投稿: 水野 | 2011/03/02 23:46