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2013/06/30

クラウド業者は時間超過したら従量制で罰金を支払う覚悟でプレゼンを

twitterでも触れたのですが、29日土曜日はPACS Innovation 研究会にてAmazon Cloudのプレゼンを聞く機会がありました。内容は良かったのですが、中身と振る舞いの違いをどうしても許せない気がしてきたので、つい文句を言わせてもらいました。その言い訳をしますね。しつこく長文ですみません。

 プレゼンはコンサルタント会社の方、Amazon Data Servicesのエバンジェリストさん、システムインテグレーターさんのお三方で、質疑応答込みで持ち時間60分。エバンジェリストさんの説明でAmazonの企業コンセプトも良くわかりました。システムインテグレーターさんの発表はクラウドの特性を見事に活かしたBCPや速成サイトの事例紹介でした。ただ、後のお二人はそれぞれに、話が数分ずつ長すぎたようなのです。
 私には、ぜひひとつ質問したいことがありました。Amazonのクラウドサービスは、顧客の要望を取り入れてどんどん機能拡張しているようです。私も雑誌などでそのサービスの充実ぶりを見ていて、同社がどんなサービスメニューを持っているのか理解するのを半ばあきらめているほどです。
 しかし、私は医療分野で顧客の言うとおりにシステム開発していった結果、医療の本質を踏み外してしまったとしか思えないシステムをいくつか見てきました。Amazonの姿勢を見ていると、顧客の要望どおりに驀進した結果、いつの間にか違法行為や倫理的に問題のある怪物を生み出しはしないか、それを防ぐコンプライアンスやCSRはどうなっているのだろうか、それを公の場で確認したいと思ったのです。最近ではGoogleの検索補完機能が個人を貶めるような不適切な結果を返して問題となった事件もありました。

 ただ、持ち時間が過ぎても話は終わりません。Amazonの安価な従量課金に基づくサービスの優位性を説き続けています。

 アメリカン・フットボールで攻撃権を持った側がゆっくりと時間を使いながらオフェンスを進める手法をボールコントロール・オフェンスといいます。相手に攻撃権を渡さないので、最強のディフェンスともなります。学会などで持ち時間をオーバーして話せば、聴衆の質問を封じることになるので、私はすぐに「またボールコントロールか」と思ってしまいます。発表者はそんなつもりはないでしょうけれど。

 お話は持ち時間を5分くらいオーバーして終わりました。超過時間もたいしたことはないし、普段なら呆れつつもあきらめてその場は終わりです。しかし、今回私が一番聞きたかったプログラムが彼らのプレゼンであったわけで、「得るところのない話だっら切腹する」と見得を切りつつ時間を超過して話していた中身は、クラウドの5原則に則った「いつでもすぐに始められて、使った分だけ支払えばよい格安従量課金」です。その彼らが、飛行機代と安くない参加費を払って話を聞きに来ている顧客の貴重な時間を奪ったのです。予想どおり座長から「では時間も来ましたので続きは後ほどの情報交換会で」と終了が告げられたので、私は無理に発言を求めて言わせてもらいました。

「みなさんは使った分だけお金を払う従量課金のサービスを売っているのだから、時間オーバーの分も従量制で事務局に罰金を払うんですよね? 話になりませんよ!」

大人げなかったけれど、一度言ってみたかったことを言わせてもらえて、会場の皆さま、ありがとうございました。あーすっきりした。あとから失礼をお詫びして、いろいろ質問させてもらいました。。。

今回の教訓です。従量制課金のクラウドを売り物にする業者の皆さんは、持ち時間を超過した場合は従量制で罰金を支払う覚悟でプレゼンしてください。

久しぶりに2つの出来事を思い出しました。ひとつめは20年以上前の熱傷学会のシンポジウムだったと思いますが、シンポジストの討論に割り込んで共同演者としてフロアから発言を求めてあとで先輩からたしなめられたこと、2つめはテレホーダイが出る前のパソコン通信時代に「長い引用は読み手の電話代を無駄に使わせていると心得よ」などとネチケットを説いてまわっていたことを。

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