2と3の間の大きな隔たり(1)ICTかITか 2.0
以前から、なぜ自分が「ICT」という言葉が嫌いで「IT」を好むのか、なぜ「医療3.0」というフレーズに違和感を感じるのかうまく説明できなかったのですが、新聞の書評に出ていたThink Simple―アップルを生みだす熱狂的哲学という本を読んでみて、なんとなく納得がいきました。それらには余計なものをそぎ落とせる余地があるのだと思います。この本で気に入った言葉に「シンプルの杖」というのがあります。そう、なんでも「シンプルの杖」に打たせてみれば良いのです。iPhoneの前面ボタンが1つしかないように。
ICTとIT
ITにCommunicationを入れたのがICTなわけです。国際的にはICTの方が一般的だという意見も多いようですが、日本に限れば総務省が「C付き」に積極的なことから、役人の権益やポストの拡大が主目的ではないか‥‥とつい勘ぐってしまいます。海外でも日本ほどではなくてもそのような運動があったのかもしれません。英語のinformには元々伝達の意味もあったようですし。
情報技術には伝達が不可欠と言うことで、Cがつけられているのだと思いますが、
ICT:Informatino and Communication Technology
この調子でICTを太らせていくと、遠からずこんな風に複雑性の魔法に囚われてしまいかねません。
やっぱり情報の保管も重要だよね。
ICAT:Information, Communication and Archive Technology
やっぱり情報の機密も重要でしょう。
ICAST:Information, Communication, Archive and Security Technology
やっぱり管理も重要ではないでしょうか。
ICAMST:Information, Communication, Archive, Management and Security Technology
結論
ICTとITの違いの説明を必要とすること自体が、どちらでも大差ないことを示しています。
シンプルの杖で叩いてみれば答えは簡単。ICTよりITがシンプル。IやT一文字では表せない。それなら答えはITなのです。
iPhoneもsに加えて「c付き」が出てきました。Appleの魔法も切れつつあるのかもしれませんね。
参考過去記事 ICTかITか(2003/12)
参考リンク ICT、ITどちらが死語か?(Youtaful Days!さん)
大原麗子さん関係の考察が秀逸です。
おまけ
気づいた方はいないと思いますが、ほぼ10年間最低毎月1本は書いて来たこのブログ、7月8月と更新を途切れさせてしまいました。twitter140文字のシンプルさに降服せざるを得ないのかもしれません。
ずっとこのことが気になっていたのですが、Jun Nishijimaさんから取り上げていただいたことに背中を押され、ずっと暖めていた「2と3の間の大きな隔たり」シリーズを開始することができました。ありがとうございました。
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