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2016/02/22

1999年の「診療録等の電子媒体による保存について」は2005年に廃止された

標記の事実をご存じない方がまだ多いようなので、書いておきます。

1999年の通知は廃止済み


わが国の電子カルテ普及を語るときに避けて通れないのが下記のいわゆる三局長通知です。

  診療録等の電子媒体による保存について(平成11年4月22日)
  
これをもって診療録等の電子媒体による保存が認められたことは歴史的事実としては正しいです。

ところが、この1999年の3局長通知はe文書法の施行をもって廃止されています。

  民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律等の施行等について(PDF)(平成17年3月31日)

 「なお、法及び省令の施行に伴い『診療録等の電子媒体による保存について』は廃止する。」
1999年の3局長通知は、2005年4月以降はe文書法にともなう「医療情報の安全管理に関するガイドライン」によって取って代られたのです。

電子カルテの3原則(真正性・見読性・保存性)の残存


その一方で、この通知から医療情報システムの安全管理に関するガイドラインにも引き継がれて生き残ったのが、いわゆる電子カルテの3原則(真正性・見読性・保存性)です。

このガイドラインができるもとになっているe文書法では、電子保存の要件と言えば「見読性・完全性・機密性・検索性」の4つであり、こちらの方が一般社会では常識と言って良いでしょう。
  文書の電子化・活用ガイド [入門編]満たすべき基本要件

 従来の電子カルテ三原則では、2つの欠点があります。
  ・現在の機密性が真正性のところに包括されている
  ・検索性の概念がない

機会をいただくたびにお話ししているのですが、「電子カルテの3原則」には検索性が抜け落ちているため、巷の電子カルテ製品は検索機能が貧弱なのだ。。。と私は日頃から思っています。

参考過去記事
電子カルテも3原則はやめて4原則にしよう

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