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2020/04/21

テック倫理学の立ち上げ

無発声携帯電話倫理審査機構」を作った頃から、その概念は抱いていたのですが、テック国語学に続き、「テック倫理学」という名称をつけることにしました。毎度のことながら、「テック倫理学研究所」と「日本テック倫理学会」も立ち上げます。
(当然私は片手間ですので、本気でやりたい方には、いつでも母屋をお貸しします)

科学技術の発展は、気づかないうちに、内包する重要な倫理的問題をなおざりにしていることがあります。テック倫理学は、いち早くその問題に気づき、技術の発展をより良い方向に軌道修正することを目的とします。またその(倫理的問題を発見する)方法論の一般化を研究したいと思っています。

「ダメ、ゼッタイ」の例

立ち上げのきっかけになったのは、twitterにも書いたこちらです。しゃべるマスク、語る仏像、あなたに話しかける「音のAR」|日経XTECH
 これを実用化すると、幻聴との区別がつきません。そういう病気をもつ方々にどんな影響があるかを考えたら、軽々に実用化できないはずです。プロジェクションマッピングで仏像の口を動かすとか、明確にそれを否定する工夫と組み合わせる必要があります。
記事中にも一応こう書いてありましたが、掘り下げ不足と思います。

もう1つは、音声の聞かせ方だ。音のARといっても、能動的に情報を得ようとする音声アシスタント連携と違い、受動的に情報が与えられる空間音響MRでは、ユーザーが不快に感じる可能性がある。社会実装した際にどういった利用形態が適しているか、検証を進めていくという。

実在人物をバーチャル映像で復活させる件の是非

「AIひばり」も話題になりました。私も直観的には嫌悪しましたが、「本人の再現を追求するのでなく、バーチャルアイドルとしての質を高めていけば受け入れて良いのでは」という意見にも一理あると思います。

テレワークならぬテレライブやVRライブの可能性

(話が逸れるのでいずれ別記事にするかもしれませんが)このように、肯定的な方向でいま気になっているのは、5Gが実現するかもしれない「VRライブ」です。でもVRライブという語の再定義が必要みたいなので、別記事で詳しく述べたいと思っています。
 例えばコロナ騒ぎの初期に中止になった、Perfumeの東京ドーム公演を考えてみましょう。観客からすると、東京ドームに行って、ステージ上に3人がいて、視覚効果と音響があれば条件は満たされます。直接触れるわけではないので、ステージ上に「居る」のが精巧なホログラム映像であってもよいはずです。
 演じるアーティストの方も、VRゴーグルとイヤホン、もしくは360度スクリーンを備えたスタジオがあって、リアルタイムに観客全体とインタラクティブなやりとりができれば、パフォーマンスを披露できるはずです。あの3人は既に、地球上の別の場所に分かれて歌い踊ったことがあったと思います。タイムラグなど技術的な課題は大きいですが、理想的には、3人とバンドは東京のスタジオにいながらにして、ある日の午後6時に東京でライブを行ない、同じ日の午後6時にロンドンでライブを挙行できるようになると思います。当然生ライブと比較して料金は安くなると思いますが、客が納得するのであれば、倫理的問題は少ないと思われ、これもアリでしょう。

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