きつねのすみかさん: 米大リーグで「画像合成広告」 日本視聴者限定
休暇中でNHKの中継を見ていたのですが、私もこれには驚きました。最初は日本向けの広告がわざわざ貼ってあるのかと思いましたが、選手や審判の輪郭に陽炎が立ってたので合成とわかりました。
今回の出来事は、日本企業がNHKのスポーツ中継だけをねらい打ちして広告を自由に入れられる可能性を示した点で、画期的な出来事だったと思います。米国シアトルのセーフコフィールドに日本語の看板を出さなくとも、NHKが中継する元映像にだけ合成広告をつけられるとしたら、日本企業や米国の放送局にとってこんなうまい話はありません。
困るのはNHKだと思います。米国のスポーツ中継でも、いろんなバナー広告やスポットCMが出てますが、NHKが放送しているときは、カウント表示や日本選手追っかけカメラ映像などでうまくカバーしてるようです。しかし、今回は防げませんでした。生中継だったためもあるのでしょうけど。
考えられる理由は2つ。一つはNHKも了解というか黙認していたということ。二つめは技術的に無理だったということです。私はたぶん後者だと思っています。従来のスポーツ中継を見ていると、NHKは実在する広告板はそのまま映していますが、合成広告はブロックしていますので。
さらに、今後はNHKの中継を狙い打ちした広告合成映像が流れてくる可能性があるわけです。だとすると、今後はNHKもそのメンツにかけて、合成広告ブロッカーなんてものを開発してくるかも知れません。合成広告が出たとたんにその部分だけ緑に塗りつぶすとか。そうすると広告側も選手の帽子やユニフォームにバーチャル広告を出すようになり……。
なんだかWebサイトのポップアップ広告とそのブロッカーのいたちごっこを思い出させる話しではありますね。ライブ映像にどこまで手を入れて良いのかも問題になってくるような気がします。
それにしてもテレビのバーチャル映像の進化は恐ろしいものです。アメフトの中継では、何年も前からファーストダウンを示す黄色い線をグラウンドに合成表示させ、最近では数十台のカメラの映像からコンピューター合成して、選手の動きをテレビゲーム並みに自由なアングルから追いかけることのできるリプレー映像まで登場しています。
そのうちに、野球の球の中にカメラを仕込んだようなバーチャル映像が出てくるかも知れません。ピッチャーに握られるところからはじまり、手を離れて鋭く変化しながらミットに向かったかと思うとバットに当たり、必死に追いかける外野手を眼下に見ながらスタンドに飛び込むとか。。。
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